マックスの友情に対する姿勢がストレンジ 『ライフ イズ ストレンジ』

引き続きタイムリープでアドベンチャー

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 マックス! あんな不良少女と付き合うのはやめなさい。冷静に考えてみれば、彼女は君に迷惑をかけてばかりだろう? 5年間も連絡を取っていなかったということは君もそのあたりをわかっていたのではないか? ……『ライフ イズ ストレンジ(Life Is Strange)』はそんな余計なお世話を言いたくなるゲームであった。

 DONTNOD Entertainmentが開発したこの青春アドベンチャーゲームは、一言でいうと“どれだけ親友に思い入れを持てるか”で評価が決まる。時を巻き戻せる女子高校生「マックス」は、久々に再会した親友「クロエ」と共に女子学生の失踪事件を調べることになるのだが、前述のようにその探偵ごっこの相棒が困った存在なのである。

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 しかし本作、かなりの出来栄えだ。挿入歌を流す際にイヤホンをつけるという自然で綺麗な演出があったり、アーティストたちが集まる高校が舞台ということもあってシャレたオブジェクトばかりだったりと、世界を構成するものすべてにこだわりを感じられる。本筋はかなり陰鬱なゲームなのだが、それでも光と影のコントラストが美しい場面が多かった印象が強い。

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 また、プレイヤーの選択で過去・現在・未来が変わるという謳い文句があるのだが、『ウォーキング・デッド』と異なり本作ではそれなりに効果的になっている(2015年のゲームなので当然か)。なぜ有効なのかといえばキャラクターの丁寧な描写が理由である。スクールカーストによって登場人物の印象付けが容易だし、主人公の日記帳に詳細なプロフィールもあり、ついでに寮の部屋に置かれた小物や文章のおかげでそれぞれのパーソナリティが丁寧に描写されているのだ。こうなると、学校の友人に対してどのような応対を取るかという、物語の骨子にほとんど関係ない選択肢でも悩むことができる。

むしろ本作の主役と言える「クロエ」

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 丁寧なキャラクター描写は親友の「クロエ」に対してもそうである。彼女は子供のころに父親を亡くし、そのせいか幼いころから一緒だった親友は連絡をくれなくなり、その後にようやく出会った新たな親友はどこかへ消えてしまった。更に、父親のことを忘れられないまま新たな義理の父親(それも面倒な性格のヤツ)が家に来たせいもあり、彼女はひねくれてすっかりロクデナシになってしまった。しかし、マックスはそんなロクデナシの親友と過ごす楽しさを知り、ともすれば恋慕の情すら抱くかもしれない──。

 というのが本作の流れのはずなのだが、僕はどうしてもクロエが好きになれなかった。彼女は忠告しても話を聞き入れてくれないし、マックスが時を戻して体調を崩しても大して気にかけないし、他の友達からかかってきた電話(しかも重要な話)を取るとキレるし、計画性がなくふざけた理由で借金をするし、身内から銃を盗むし、望まないことを言ったらすぐすねるし、マックスに大きな迷惑がかかるはずなのに金を盗もうとするし、探索パートでは役に立たないどころか面倒なビン集めを命令するし、事件をうまく解決するフラグを折って面倒な話にするし……。物語の都合もあるのだが、本当に迷惑にしか感じなかった。

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 しかし、これもある程度は意図的に行われているものである。EP3までは傍若無人なクロエも、その後にあるイベントのおかげでとても哀れに見えてくる。このストーリー展開は実に見事なのだが、それでも僕にとってこの親友に対する評価がプラスに転じるほどではなかった。

 マックス、なぜ君はあの親友にそこまで入れ込むんだい? よかったら僕に教えておくれ。
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