『キャンドルちゃん』小さなろうそくが「キャンドルマン」になる幻想的な物語

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 キャンドルちゃん、キャンドルちゃん。いったいあなたはどこへ行くの?

 キャンドルちゃん、キャンドルちゃん。灯台の光にむかってひとりでとぼとぼ歩くの。

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 ……『キャンドルちゃん』というゲームタイトルから伝わる印象はそういうことだろう。本作は中国のデベロッパー「Spotlightor Interactive」が開発したアドベンチャーゲーム。主人公の小さなキャンドルを操作し、明かりを灯しながら暗闇をひたすらに進んでいく。ほとんどその美しい雰囲気を眺めるだけでよく、キャンドルちゃんの目の前にある試練もそう大きなものではない(小さなろうそくにとっては大きいかもしれないが)。

 キャンドルちゃんは小さなキャンドルの男の子。彼は他のキャンドルと異なり、自分の意思で炎をつけることができる。ただ、炎をつけることができるのはほんの数秒だけ。そのわずかな時間を使い、道を照らして先に進んでいく。便りになるのは自分の光と、動かないろうそくの明かりだけ……。

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 本作のタイトルは、英語版だと『Candleman(キャンドルマン)』である。それをあえて“ちゃん”と表現したのは良い判断だろう。キャンドルマンではまるでアメコミのしょうもないヒーローだし、暗闇の中をひとりで歩む「Little Candle」な雰囲気が出せない。

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 しかし、キャンドルちゃんは確かにキャンドルマンでもある。本作では、キャンドルちゃんの挫折と復活の物語が描かれる。本編では己が小さな光に過ぎないことを思い知らされ、しかし追加コンテンツでは地獄から這い上がりなんとか立ち直ることになる。あの“小さなろうそく”は確かに「キャンドルちゃん」だったが、そこから己を知り立派な「キャンドルマン」になったのかもしれない。
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