BIOHAZARD 5 レビュー

boxjpbio5.jpg 『BIOHAZARD 5』は、おなじみカプコンのバイオハザードシリーズの新作。ジャンルはアクションシューティング。TPS(三人称視点シューティング)とするところもあるが、どちらかといえばアクションシューティングかと思われる。ちなみに公式の呼称はサバイバルホラー。
 基本的な内容は前作の4と同じ。4までのシリーズは固定カメラのラジコン操作である『アローンインザダーク』方式であったが、4ではシューティングへ重点を置く方式に大きく変わった。また、銃を鍛えたり選ぶ要素も4で追加されたのだが、それは今回にも存在する。5で大きく変わった点は、二人Coop(協力プレイ)を追加してあるところだ。オンラインでの協力プレイや、おまけモードでの協力プレイなどもあり、ゲームのつくりもそれに則したものになっている。
 また、近作においてはプレイする場合においてステージという区切りがついている。好きなステージだけ遊ぶことなども可能。

・coopの出来が良い
 『Left 4 Dead』(以下L4D)とは違ったアプローチの仕方。どちらかというとCoopの内容自体は『Gears of War』に近い。二人で協力する必要があり、片方がやられるとそこでゲームオーバー。相手が瀕死になったら助けに行かねばならない。
 ただ、L4Dと違い、片方が恐ろしくうまければどうにでもなる所はある。強制的に行動をともにしなければならない、という感覚は薄い。もちろん、同時行動をしたりお互いに背中を守る必要はある。
 二人で協力する点においての責任を分散させる方法がうまい。片方が遠くへ行ってアイテムをとってきたり、無理やり分断されることも当然ある。しかし、そこで、片方が分断されるときもう片方は相棒の援護に専念できる形になる。なので、片方がやられてしまったとしてもどちらかだけのミスということにはなりにくい。また、ボスにおいては二人で協力してでないと弱点が突きにくくなっており、協力することの必要性、責任性、そして責任を重くしすぎないという点に関してはCoopする作品としてはなかなかなものではなかろうか。

・操作性・カメラ
 海外レビューでは操作性が悪いと母親の小言のようにいっている。確かに、他のTPSに比べると操作性は悪いかもしれない。しかし、このゲームにおいては、この操作性がゲームデザインの中に必要な、ひとつの制約であるのではないだろうか。
 具体的に操作性のどこが悪いかというと、一ボタンで銃をすぐに撃てなかったり、ナイフを振れない部分だ。また、背後を確認するのも少し時間がかかる。ただし、これらはすべて恐怖心を煽るための制約と考えれば納得がいくのではないだろうか。他のFPS・TPSでは距離感というものが大雑把に思えるが、このゲームでは重要だ。接近されると一撃でやられてしまったり、あるいは距離を離していると厄介な敵もいる。そして、構えるのには時間がかかる。だから不利な場所に立たれることが恐ろしくなる。さらに、背後が確認しにくいのも必要な制約ではないだろうか。単純に後ろがよく見えず恐怖を煽るし、同時に、協力して相手の視界をカバーしなければならないということになる。つまり、協力と恐怖という二つの観点からこういった制約が存在するのではないだろうか。
 ただ、制約があっても恐怖まではいってないかも。といっても、バイオシリーズと恐怖がすれ違っているのは2からの話なので、ここ(バイオ5)で提起するような問題ではないようにも思う。そして、協力プレイに必要という理由だけでも、操作やカメラの制約はあっていいだろう。

・難易度の自由さ
 正直なところ、僕はこのゲームを”うまく”できるプレイヤーはあまり多くないと思う。うまいというのはゲームをすんなり進行できるとかそういうのではなくて、楽しめるかどうかである。このゲームは、難易度の自由度が高いのである。プレイヤーによって、難しくもなりうるしヌルすぎるゲームにもなりうる。
 ステージはチャプターごとに分けられており、途中でやめることもできるし、好きなステージだけをやることもできる。つまり、何度も前のステージに戻って銃弾や金を集めたりできるのだ。なので、とにかく実績をあけようと効率的なプレイをしだしたり、いきなり攻略サイトを読んだり、というようなことをし出すと興ざめしてしまうだろう。”うまく”やるにはあまり情報を沢山得ずに、どうすれば自分で楽しめるのか考えることが必要になってくる。難易度を適正に選んだり、うまければ戻る回数を極端に減らすなり、無限弾を使うのを自重するなり。そうなると、当然そういうことをできずに楽しめない人間も出てくるだろう。しかし、これはゲーム自身の悪さではなくて、あくまでプレイヤーの問題だ。ゲームのほうで広さを用意しているということは素直に褒められるべきことである。
 といっても、やはりある程度つくり手が”うまく”ゲームを楽しませる用意も必要なのではないかな、と考えている。そもそもゲームというものを自発的に遊ぼうと思っている心が足りないプレイヤーが多いと思うので、こういった形は、少なくとも日本向けではないように感じる。なので、もう少し適切な難易度になるよう誘導してあげても良かったんじゃないかなあと思ってしまうのである。ただ、そういう配慮が少しかけている形のゲームになっているかといって、効率的なプレイだとか、稼ぎプレイだとか、実績解除プレイなんていうものなんてのをしておきながらこのゲームをつまらないなどど言う人は、ちょっと自身の行動に問題があると疑ってみるべきではないのだろうか。
 自由とは、選択をしなければならない危険性を伴うものなのである。

・その他ストーリー等
 グラフィックはなかなかすごい。
 ストーリーはいつものバイオのごとく。まともな映画っぽさを期待して買う人もいないだろうけど。
 キャラの挙動は不自然さがぜんぜんない。メイキングビデオによると、モーションキャプチャーやら実際の俳優やスタントマンなどを使っているとのことで、なるほどそれに見合った出来だなあと思う。もちろん、ゲーム的演出で笑ってしまうような挙動はあったりしてしまうけれども。

・バイオ4と比べて
 どうにもバイオ4に比べて革新的でないという意見をちょくちょく見る。僕自身、バイオ4はやったことがないのでなんともいえないというのが正直なところではある。しかし、ここまで高水準でよく出来ている続きものというのはかえって貴重なのではないだろうか。それも、中身を完全に壊さないでうまく出来た新要素を入れて、だ。『BIOHAZARD 6』においては別のものが必要であったとしても、『BIOHAZARD 5』としては、これでもう十二分に良く出来た作品といえるだろう。
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