『Mech Gladiator』の製品版で遊ぶ

 先日、インディーズゲーム雑感でおためし版のみ触った『Mech Gladiator』という作品がある。そのときはよくないという評価を書いたが、製品版で遊ぶことになったので改めて書き直してみることにする。


 まずはゲームの説明から。
 自称三人称ロボットシューティング。実際はほぼアクションゲームで、『アーマードコア』や『電脳戦機バーチャロン オラトリオ・タングラム』に(そしてより後者に)近い。自機のロボットを操作し、敵をやっつけるのが目的。オフラインは難易度2種の3ステージが用意され、1対1のオンライン対戦にも対応している。
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・操作について
 えーと、色々書くことはあるんだが、まず操作について書かなければならない。このゲームは、RTで攻撃、Xでダッシュ、Aでジャンプというのが基本操作になってくるんだが、実は説明に書いていない攻撃方法がある。

 これはオラタンの操作にかなり類似していて、そのままRTを押すだけの通常攻撃が、自機の動作によっていろいろ変化するのである。ダッシュしながら攻撃をするとミサイルを放つダッシュ攻撃になり、ダッシュで敵に近寄ってから攻撃をするとパンチ攻撃になる。そして、ジャンプしてミサイルを放つジャンプ攻撃がある。さらに、ダッシュはすばやく二度入力すると、連続で方向を変えてダッシュすることができるのである。
 これを知っているか知らないかでかなりゲームが変わってくるのだが、ゲームでは一切説明がなされない。おためし版ではそこを知るまでにクリアしてしまうので、ほとんど多くのプレイヤーがそういうゲームだと知ることができずにゲームを終えるだろう。

 そして、その操作を知ることによって、このゲームは退屈なRTを押すだけのゲームからアクションへと変化する。それぞれをうまく使い分けられると操作する楽しみを知ることができるのだ。

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・オフライン
 そうはいっても、オフラインのバランスはやはり大味。低難易度版は適当に撃っているだけで終わる。高難易度版は逆に突然難しくなっていて、調整が足りないと思える。そして、先ほど説明した操作の使い分けもあまり必要ない。時間制限がないので、とにかくHPさえ保って遠くから撃てばいいのだ。

・オンライン
 そして、オンライン。フレンドと60戦ほどやってやーっと理解できてきた。

--三つ巴要素--
 まず、オンラインについての開発者のコメントを見ていただきたい。
>Mech Gladiatorの対戦はパンチとダッシュ攻撃、ジャンプ攻撃の三つ巴になっていて、あえて大味に作ってあるシングルプレイモードとは別物になっています。

 オンライン対戦はこのコメントの通り、三つ巴になるよう意識されて作られている。ダッシュ攻撃はジャンプ攻撃に強く、ジャンプ攻撃はパンチ攻撃に強い。そして、パンチ攻撃はダッシュ攻撃に強い。
 パンチはホーミングするのであたりやすいが、ジャンプ攻撃で簡単に避けられる上にダメージをくらう……といったような感じになっているようである。その読み合いが、ちゃんと対戦の形になっている。

 ……はずなのだが、実際はジャンプ攻撃がかなり弱い。ダッシュ攻撃は少ない隙で出せる上にしばらく空中を漂ってホーミングするので、実際にはパンチ+ダッシュ攻撃という状況で攻められる。その状況でパンチ攻撃を避けるためにジャンプ攻撃をすると、すでに出されているダッシュ攻撃によって打ち落とされることになる。

--狙い撃ち--
 また、オンライン対戦になってようやく相手を狙い撃つという要素が出てくる。パンチ以外の遠距離射撃攻撃は、相手の移動先を予測して撃たなければあたらない。ただし、予測といってもかなり簡単なのである。このゲームでは相手を常にロックオンしている状態なので、その右に移動するか左に移動するかだけをRSで選択し、射撃をおこなう。つまり、相手がどちらに予測射撃をしているか読み、回避行動を取る必要があるのだ。
 これは簡単な操作で読み合いをさせるいい手段になっているだろう。

--アイテム--
 そして忘れてならないのはアイテムという存在。オンライン対戦では無しで勝負することもできる。オフラインにもアイテムは登場するが、ほとんど空気であろう。
 アイテムは全部で4種類存在し、効果は以下の通りである。

 ☆…全体的な性能アップ。
 M…地雷。自分は当たらないので、敵がパンチを仕掛けてきたら置くだけ。あたると100%ダウンなので強すぎて笑いが出る。
 B…ボム。ボムのくせに近距離専用で、ほぼ使い道なし。
 T…追尾ミサイル。これまた微妙。ダッシュ攻撃の追尾が長い版。

 アイテムも対戦を盛り上げる要素になっている……ようで、バランスがぶっ壊れている。☆はいい具合に取った人が少しだけ有利になるが、Mの地雷は強烈。あたれば確実ダウンという性能なのに、ほぼ確実に当てられる。なので、知らない人は引っかかりまくり、知っている人は一切近寄らせなくなり遠距離戦闘になってしまう。BとTはあんまり存在価値がないので割愛。
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 そして、「三つ巴要素」、「狙い撃ち」、「アイテム」の要素すべてを知った上で遊ぶ対戦は思いのほか面白い。もちろん、他の対戦ゲームから見てしまえば欠点や底の浅さは強烈ではあるが、「三つ巴と狙い撃ちによる読み合いによる対戦」というところは確保してあるのだ。なので、ちゃんと遊べるし少しは面白い。


 ただしそれも、このゲームの要素をほとんど知っていてはじめて成り立つ対戦である。

1.操作の違いを知るまでに時間がかかる。
2.そして、オンライン対戦でそれぞれに対する三つ巴要素を知るのにさらに時間がかかる。
3.アイテムの強弱・使い方も知らなければならない。
4.狙い撃ちで遠距離戦闘をいかに戦うかを知る。

 これらの要素をすべて、説明無しで知ってはじめて対戦が真っ当に遊べるのである。さすがにそりゃあ、いささか無理を強いすぎではないかと思われる。チュートリアルも言葉による説明も無く、さらにおためし版で遊べる部分は、これらを知らなくてもサラっと流せてしまうところなわけだ。対戦として成立する要素がちゃんとあっても、そこまでたどり着けるプレイヤーはほとんどいないだろう。折角できているのに、もったいない。


 ……というわけで、対戦はルールさえ理解できてしまえば思いのほか遊べるよ、という宣伝でした。ここまで読んでくれた諸兄諸姉の皆さまはわかっていただけると思うので、ぜひとも触ってみてはいかがでしょうか。




【おまけ】
 対戦相手として付き合ってくれたプレイヤーの簡単な感想。

・タイトルのBGMでいきなり笑う。
・音量などを設定できるオプションが欲しいと言う。
・オンライン対戦は綻びがたくさんあるけど、対戦はできる。思ったより遊べた。
・自分の財布から金を出してやるのはキツい。
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コメント

開発者です。

対戦のシステムなどはプレイしながら発見してもらうのも楽しいかなと
思っていたのですが、完全に失敗でしたね。

クリエーター同士のレビューでは気を使ったフィードバックしか得られないので、
こういった意見は大変参考になります。ありがとうございました。

いつも通り書いただけですが、参考になったのならば幸いです。
むしろ、いつも通りすぎて失礼なことを書いてしまったかもしれません。気分を悪くされたのならば申し訳ないです。
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