OPERATION FLASHPOINT : DRAGON RISING レビュー

boxopfbr.jpg 『OPERATION FLASHPOINT : DRAGON RISING』(以下OF:DR)はコードマスターズが開発した、リアル寄りFPS。シリーズものなのであるが、実は前作と開発が違っており、ゲーム内容や方針的にも大幅な変更がなされている。
 プレイ内容を大きく分けると、シングルプレイ、オンラインCoop、対戦の3種類。

 プレイヤーは部隊長となり、3人の部下AIを引き連れ作戦をこなしていく。シングルプレイではうまく部下に指示を出し、的確に目標を達成していかねばならない。Coopではホストが隊長、残りのプレイヤーが部下としてそれぞれの職務を担当する。

 リアル寄りのFPSなので、戦闘が難しめである。米粒のような相手を数百メートル先から発見し、それを狙撃するというのが基本的な戦い方。100メートル以内に近寄ったら、すぐに頭をぶち抜かれて死ぬと思っていい。
 他にも、銃弾を食らったら止血せねば出血死をしてしまうし、足に当たれば走ることができなくなったりもする。また、目的地が何キロも先にあることもザラ。車に乗れればいいが、場合によっては、それを自らの足で走らなければならないこともある。


・リアル寄りのゲームならではの面白さ
 Xbox360でFPSを遊んでいるプレイヤーの多くは、本当にメジャーなタイトルしか遊んでいないだろう。このゲームは、『Halo』や『Call of Duty』と違って厳しい面がある。前述の、何キロも走らねばならなかったり、戦闘がチマチマしている点は特に顕著な部分だ。
 ただし、OF:DRはそういった面倒な部分を面白く感じさせようとしている。「仲間と協力して、厳しく劇的でもない戦争をくぐりぬける」、それがこのゲームの醍醐味である。

 カジュアルFPSと同じように考えてしまえば、米粒のような相手を見たら突っ込んで行ってサブマシンガンで撃ち殺したくなるだろう。しかしそれは出来ないのがこのゲーム。
 それは一見、足枷のように思える厳しさだ。だが、これをAIに指示し、仲間プレイヤーと頭をひねり打破していく。いかに難関を自分達の力量で解決できるかという、シミュレーション的な楽しみが強いのである。シングルではAIをどう動かすかという、隊長としての苦労と楽しみがたっぷり詰まっている。Coopでは中身が入っているから、それぞれの技量や性質に合わせた、自由な作戦展開をしていける。これによって足枷が羽へと変わるのである。

 目的地まで数キロあるならば、敵部隊を襲いジープを奪えばいい。敵にスナイパーがいて厄介ならば、腕のいい狙撃主が黙らせてしまえばいい。黙らせることができないなら迂回するのもいいし、機関銃の制圧射撃で相手に撃たせる余裕を持たせなければいい。時間制限のあるミッションならば、それぞれに得意な仕事を分担させてもいい。
 自分が戦場に立ったらどうするか。よりうまく、戦場を駆け抜けたいだろう? それを体験できるのが、OF:DRなのである。


・調整不足すぎる
 シミュレーション的な面白さを確実に持つ一方で、それを覆い隠すほど大きな欠点を持っている。

 まず、メニューのインターフェイスが腐りきっている。
 オンラインで部屋を立てるにしても、わかりにくいメニューを面倒に何回も捲っていってようやくゲームを開始することができる。プライベートスロットや人数設定を決めるのに、いちいちXボタンを押してゆっくり出てくる画面をいじらなければならない。とにかく心底面倒である。

 そして、指示系統がややこしい。ゲームをはじめたプレイヤーは、部下にどういった指示をしていけばいいかよくわからないだろう。それぞれの隊員へ個別指示を出すこともできるのだが、そういった部分までチュートリアルでは言及してくれない。そこで脱落するプレイヤーも多いと思われる。

 オープンマップで自由な作戦展開をできるはずなのだが、その考え方が固定されやすいのも問題か。
 マップの種類が少なく、自由度や戦況の変化も劇的に強いわけではない。なので、クリアすることを考えてしまうと行動がかなり固定されやすい。せっかく広いマップを使っているのだから、もっとより自由にできると嬉しかった。このあたりは特に、前作プレイヤーが不満に思っているようだ。

 オンライン対戦も面白くはあるのに、ルールが調整しきれていない。
 ホストが対戦部屋を作る際に、時間設定やリスポン設定をいじることができるわけだが、このさじ加減次第でつまらなくも面白くもなる。ルールやマップも豊富ではないし、武装やゲーム展開を見る限りでも調整をしきれてない。対戦も面白みはちゃんとあるのだが、それを理解するに至るまでには遠い道のりがある。そこをわかりやすくする説明と、ゲーム自体の調整は、遊ぶためには必須といっても過言ではない。

 バグもとにかく目立つ。
 キャンペーンに関するバグも多いし、AIの行動に関するバグも豊富。ゲームを起動していない状態でOF:DRの招待を受け起動すると、セーブデータを読み込まずにゲームを開始してしまうというバグもある。(しかもその後、オートセーブでデータを上書きしてしまう。)
 少しチェックすればすぐわかるようなバグもあるので、時間か資金か、とにかく足らないことだらけだったようである。


・まとめ
 とにかく面白さとしては確たるものがあるし、それを表現しようとしているのはわかる。ただし、とてもそれが粗い。その粗さについていけるプレイヤーは、不満を持ちつつも楽しい体験を得られるだろう。

 一応、ガッチガチの戦争シミュというほど厳しい作品ではない。難易度が低ければコンパスに敵が表示されるし、銃弾が当たった時に表現が出る。ダメージも衛生兵が全回復してくれるし、そこまで厳しいというわけでもない。ローカライズもそれなりに出来ているので受け入れやすくはある。なので、家庭用で遊ぶくらいにはカジュアル向けになっていることは間違いない。ただし、もっと粗がなければ、本当にカジュアル層にも受け入れられるリアル寄りFPSになったはずだ。
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