Xbox360 IndieGamesで石を拾う 03 【Kissy Poo】

Kissy Poo

 今までは、『Coastal Defence』に『Block Fight!!』というゲームになっていない作品を連続で取り上げた。なので、そろそろ少しはまともな方向に舵を取ろう。毎回イカれたものに触れていると、そのうち感覚までおかしくなってしまうから。

 今回紹介するのはかわいらしい絵が独特な『Kissy Poo』という作品。クリエーターはThe ZMan。値段は80MSP。

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ほんわかしたパッケージ画像。
 この作品もまた、ゲームとして成立しているかあやしい。とはいえ、前回と前々回に比べれば圧倒的にまともではある。明確なルールがあって、それを達成するとクリアしたことが画面に情報として表示される。これだけでかなりしっかりとしているとわかるだろう。……これでちゃんとしていると思わねばならないのが悲しい事実だ。

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まだマシなタイトル画面。
 ゲームを起動するとさっそくタイトル画面で説明が開始される。しかもちゃんとBGMやSEがある。おお、なんて嬉しいことか! そしてなぜ、そんなことで喜ばねばならないのか!

 舞台はマジカルアイランド。主人公が悲しんでいる動物達に触れてキスをすると、彼らは喜んで色づく。同時にハートが出現し、虹のゲージも溜まる。唇を重ね合わせることを一定数行うと、ケバい七色の橋が画面中央にかかりステージクリアとなる。

 ところで、題を僕が翻訳すると「すぐにキスしたがるウンコ野郎」になるのだが、これでいいのだろうか。倫理的に問題があるような気がしてならない。あるいは、僕に問題があるのだろう。
 とにかく、そのかわいらしい主人公が次の画像のキャラだ!

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お世辞にもかわいいとはいえない主人公。
 ……あれ、なぜか顔の大半が目という、近年のアニメキャラも裸足で逃げ出す紫色の玉である。しかもこのムカつく口元! 確かにクソ野郎っぽい。あだ名をつけるなら、ビチグソキス太郎だろうか。……あ、リボンをつけてるから多分女の子なのか。ごめん。

 それにしても、このいやらしい目つきと常軌を逸した紫色の肌が僕に不快な刺激を与え続ける。気のせいだと思いたい。

キスしか能が無い

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そろそろあやしいプレイ画像。
 さて、ゲーム内容に入っていこう。スタートボタンを押すと、か細い声で「キッスィープー……」と囁かれて幕は開かれる。
 画面は穏やかな感じがするものの、ボタンを押すと唐突に子供の笑い声が入ったり、主人公が気持ち悪いこともあってどこか不安な感じが残る。とにかく、気を強く持ってゲームを進めていく。

 先程の説明どおり、画面に出てくる悲しんでいる動物へ触れていけばオーケー。操作はLSだけの簡単操作なので、どんどんレインボーゲージは溜まっていく。そして、画面中央に虹がかかると……!

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突然はじまるドラッグパーティー。
 BGMが唐突に切り替わり、ダンスタイムへと突入する。そして、これがヤバい。今まで自然な色だった動物達は、突如、奇妙な変色をしつづけながら踊りはじめる! これを形容するならば、ラリっているという言い方が最適であろう。
 まさか、ダンスといっても健全なものではないのか。「悲しんでいる動物に過剰な元気を与えるため、唇を合わせて踊り狂う」と書くと、なんとも危険なニオイがしてくる。

 このどことなく覚える気味の悪さは動画で見てもらったほうがわかりやすいはずだ。随分前に、おためし版の動画をとっておいたので貼り付けておく。

 この不安を覚えるような乱交パーティーときたら! いくらキスが好きだからって、獣とちゅっちゅしまくった挙句、全員ラリってパーティータイムとはおめでたい話である。モラルが鼻毛の毛根ほどもないだろう。

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貴重な焦らしシーン。
 ダンスタイムが終わると次のステージへ自動的に切り替わる。そしてまた同じく、動物に触れるということだけをやっていればいいわけだが、たまーに上画像のように「逃げろ」といわれることがある。とはいえ、逃げるのに失敗したら動物にかみ殺されるというわけでもないし、ゲーム的ペナルティもない。単調さを避けるための小さな仕掛けだ。

 だが、僕には麻薬中毒者を焦らしているようにしか見えない。お薬が切れて悲しんでいる動物達を、あえて遠ざけることによって危険な部分へのめりこませる。麻薬販売者の常套手段であることは読者の皆様もご存知であろう。とんでもなくふてえ野郎を演じなければならないゲームだ。


 そんなわけで、実情はサイケデリックであった。キスをしまくってイカれて踊り狂う。かわいい見た目をしているようで、中身はまるでロックだ。相手の外面に騙されてはいけない、ということを強く教えてくれるゲームである。

補足

 ちなみに、『Kissy Poo』は5歳以下の子供向けゲームだそうだ。いい年こいた大バカ野郎がこの記事を書いている時点で間違っているのだろう。

 変なタイトルは質の悪い冗談なんだろうし、やや不気味な絵柄もあえて小さいプレイヤーに受け入れられるためにああしたのだろう。だが、文化や育んできた感性の違いのせいか、キスしまくる主人公や、ダンスタイムの色使いには不安や狂気に近いものを覚えてしまう。
 特に、唇を合わせるというのは日本人にとって簡単な話ではない。ただ、海外では挨拶としてキスをする文化を持つ国もあるわけだから、そんなに違和感がない話なのかもしれない。そして、色使いも文化によって大きく見方や意味が違ってくるだろう。それ故に、僕だけが『Kissy Poo』を不自然に見てしまうのかもしれない。

 ……と綺麗にまとめたかったが、やはり海外のプレイヤーでも笑っている人がいた。うん、やっぱりどこかおかしいと思うのは、気のせいでないのだろう。


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Kissy Poo 80ゲイツ Xbox.com詳細ページ
クリエーター:The ZMan ジャンル:ファミリー 開始日 2009/11/24

 悲しんでいる動物達を、キスして元気付ける子供向けゲーム。
 操作は左スティックだけの超簡単操作。やるかどうかはともかく、確かに子供でもできそうではある。
 大人が見ると、いい具合に混沌さが感じ取れて気味が悪く思えるだろう。
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