Urban Space Squirrels レビュー

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『Urban Space Squirrels』

 『Urban Space Squirrels』はXbox360 IndieGamesで配信されているアクションパズルゲーム。製作はDTA Entertainment。

 ゲームはオーソドックスな横スクロールタイプのものである。リスを操作して仕掛けを解き、ゴールを目指す。「ブラストボール」という爆破する玉をうまく利用し、アクションやパズルをこなしていく必要がある。

 詳細については特集記事を参照されたし。


良いアイデアと物足りなさ

 爆発するボールを使ってアクションとパズルを遊ばせる、というアイデアは実にいい。ゲームとしてちゃんと成立しているだけでなく、それぞれの要素にしっかりと絡み合っている。ブラストボールはリスの動きを制御するのに欠かせないものであるし、これならではの仕掛けも解かせてくれる。
 レベルデザインもアイデアから栄えてきたゲームプレイをしっかりと受け止め、台無しにすることもない。謎を解かせるときは、ちゃんと基礎を教えてから応用をやらせてくれる親切さもある。そのため、しっかりと遊び、楽しむことができるだろう。
 丁寧なチュートリアルに、3つまで作れるセーブデータ、そしてキーコンフィグなどのオプションも充実しており、プレイヤーの欲しているものをくれる。

 そこまではたどり着いたのだが、それ以上を目指せない作品でもあった。

 ステージクリアで爆弾使用数などは表示されるが、それが記録されないのは痛い。せっかくタイムアタックなり最小爆破数なりで遊べる余地を残しているのに、データが表示されなければ競うことができないため、それで遊ぼうという気持ちにはなれないだろう。
 プレイ時間はおおよそ3~4時間くらいの、この規模にしては十分な量ではある。だが、せっかく用意したアクションとパズルの楽しみをもっと生かすには、データを記録して、プレイヤーが限界へアタックできる機会を用意すべきだった。

 また、カメラワークにも難点がある。十字キーでいくらかの操作はできるが、それでも視界が悪い。単純明快な2Dアクションパズルなのだから、もう少し上手くやってもらいたいところである。

 そして、ゲームの全体を眺めると中だるみがあるようにも感じる。アイテムが一通り出揃った後、何かイベントが欲しかった。もしくはストーリー的な強い盛り上がりであるとか、あるいはグラフィックの変化のような見た目のインパクトでもいい。とにかく、グンと人をひきつける要素が足りない。

 例えば、ずっと一人だった主人公に突然友だちが出来るけどそれを殺さねばならなくなる悲しいイベントだとか、自分以外の生き残りがいた形跡を発見してしまうとか、濃厚なストーリーの端に触れさせるとか、そういうものが欲しい。……って、それじゃあまるで『Portal』である。
 とにかく、そういった細部への充足が欠けている。プレイヤーを最後まで突っ込ませるために必要な、アクセルの踏み込みが足りないのだ。だから、アイデアはいいし、楽しいけれども、途中で緊張の糸が弛んでしまう。

総評

 ちゃんと出来てはいるものの、尖るものがない。ステージを飽きないようにする変化には気を使っているが、ゲームプレイ全体を通しての起伏が足りなかったと言えるだろう。
 一応、最後にちゃんと山があるのは嬉かったが、それでもまだ物足りなかった。その展開への伏線もなかったから唐突さを感じてしまうし、山場を越えてもカタルシスがとにかく弱い。エンディングは少ない文字で内容なく語られるだけだし、ストーリーはやっつけ。あってないようなものだろう。

 スタッフロールを見る限りそれぞれにちゃんと人を裂いているようなので、不足する感を覚えるようになってしまうのは、やはり製作する人間の地力が足りなかったということなのであろう。ゲームに盛り込む内容がちょっと足りていない。


 基礎は出来ているし面白いが、飾りが欠けている。そんな作品であった。
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