「Xbox360 インディーズゲーム」をだいたい1000本遊んだ雑感

cakeisalie2.jpg

配信本数1000到達

 おめでたいことに、Xbox360 IndieGames(以下XBIG)の日本での配信数が1000を越えた。もちろん海外のみの作品を含めると結構前に到達していたようなのだが、一応こちらも祝っておこうということである。ささやかながら、ケーキを用意した。

 そして、これを言い換えると、僕もお試し版ばかりとはいえ1000作品遊んで色々と書いたというわけである。いくらか物を見る目が鍛えられていればいいのだが、はてさて。


 1000本ともなると、さすがに袋の中は様々な作品が入っているわけだ。ここには名作・佳作・怪作・凡作・駄作・未完成品等、実に多様なゲームが存在する。何が一番多いかと問われると、最も多いのが凡作で、次が駄作。残りとして、見所があったり面白いといえる作品群がある。
 そして、駄作や凡作は遊んでいて辛い。つまり、多くのインディーズゲームに触れていると、楽しいことよりもしんどいことのが多いのである。

なぜ遊んでいてつらいか

 凡作には製作の意図がつかめないものが多数存在する。例えば、周期表が見れるだけのものであったり、ただの関数電卓であったりするのがそれだ。ゲームでいえば、ゲームオーバーもなく延々とスコアを稼ぐミニゲームであったり、あるいは古い商業作品の劣化コピーのようなものとしよう。
 電卓はちゃんと使えるし、周期表もしっかりと見れる。ミニゲームも一応はちゃんと遊べるし、コピー品もゲームとしては成立している。これらは作品としては間違いなく凡作であろうが、では配信してプレイヤーが喜ぶかというとまた違った問題になってくる。まず、需要があるわけがないし、楽しいと言われることもない。

 いわば凡作を狙った作品というのは、野球であえて凡打を撃つようなものなのだ。もちろんそれが打者の狙いでありそういう練習なのであれば、その者にとっては意味があろう。ただし、観客は内野ゴロを見て喜ぶかといわれれば絶対に違うし、むしろ失敗だと認識する。それどころか、なぜそうしたのかさっぱり理解ができない。

 凡打でも、スケールを大きくしようとしたり複雑なシステムを練りこもうとして失敗したのであれば、その意図自体が素晴らしいといえるだろう。もしくは、普通の出来でもそれそのものが珍しかったり、それが忘れられているものであったのならば存在する価値は十二分にある。あるいは、意図を伝えることに失敗してしまっただけなのならば、仕方がないといえるかもしれない。だが、別にそんなことがなく、そもそも挑戦すらしていない作品の方が多いのだ。

 ここはあくまでインディーズゲームを公開する場である。会社経営でない場合のが多いのだから、ヒットを打たねばならない理由などまったくないし、条件さえ満たせば誰だって作品を公開することができる。そしてそもそも、面白かったり意義のある作品を提供する必要すらないのだ。このあたりが凡作というか、取るに足らないものを多く内包してしまっている理由なのだろう。

金を取れる場所ならではのひどさ

 かといって、それを責めるわけではない。Xbox360向けゲームを一般の人が販売する環境として用意されているわけで、しかも誰もが手を出せるとなれば有象無象の作品が集まってくるわけだ。そういうことになっても仕方ないわけだろう。むしろ期待をするほうが御門違いだ。

 ただ、難しいのが、完全にクリエイターのための場所か、というところである。あくまで配信されている場面としては家庭用ゲーム機の一区画であり、しかも使用する電子マネーはライブアーケードと同じマイクロソフトポイント。ゲームを買おうとする人は、80MSPのインディーズゲームを10本買うか、あるいは800MSPのライブアーケードを1本買うか、という選択をしなければならないわけだ。つまり、商業ソフトと肩を並べる立場にいる、ということもある意味では正しいだろう。となると、プレイヤーに対してちゃんと物を売ろうと考える製作者だっていたほうが自然なわけである。

 だが、一端に金を取るから尚ひどくなるという側面もある。特に海外勢は、一時は全方位シューティングやマッサージソフト、今であればアバター対応ゲームを粗製乱造しまくっている。どうも適当にやっても小遣いくらいにはなるらしく、中途半端にこんな流れも起こってしまうわけだ。そんなわけで1000作品中の9割以上は、電信柱に貼られているピンクチラシくらいのどーしよーもないものになっている。

 これならば、ちゃんと大きなお金を払ってソフトを買ったほうがいいだろう。ライブアーケードであればある程度の質を持っていることのが多い。パッケージソフトであれば、駄作を引いても売ればなんとかなる。あるいは、ネットで公開されている、もっと自由度が高いフリーソフトやカンパウェアを遊んだほうがより楽しめるだろう。金は一切かからないし、しかも話題に上っている作品はいくらでもある。

 というわけで、単純にゲームを遊ぼうとしている人からすればあまり喜ばしい環境でないことは確かだ。商業作品ではまず見られない怪作であったり、あるいはメーカー顔負けの名作がたくさんあれば素晴らしいといえる。が、そういうわけではない。かといって需要を読もうとしている作品群も、安かろう悪かろうなものばかり。トドメに、カタログでのダウンロード販売だから駄作が完全に淘汰されることもない。つまり、「XBIGをやればクソゲーに当たる」というわけだ。

一握りの名作

 かといって完全に見捨てよう、ということにもならないのがまた妙なところで。これはもう、偏に名作を作っているクリエイター様々である。彼らがいなかったら、もっと早い段階で見向きもされなくなっていただろう。

 Xbox360のパッケージソフトでも成し得なかった、ちゃんとしたオンライン麻雀対戦ゲーム『麻雀三六荘』はご存知であろう。他にも古代祐三氏が音楽を手がける『まもって騎士』なんてものもあるし、小ぶりではあるものの良く出来た『いれかえまほちゃん』みたいな、稀にではあるが遊びたいものが出てくる。

 このあたりは無視するのが勿体無いわけである。しかも、XBIGならではのもの。これらのような、一握りの良く出来た星の瞬きを掴むために、このゴミ山を漁っているのかもしれない。


 「悲喜交々の悲しみマシマシ」みたいな状態のXbox360 IndieGamesではあるが、もうしばらく追うことは続けようと考えている。いつまで気力が持つかはわからないが、読者の皆様にもお付き合いいただければこれ幸いである。
このエントリーをはてなブックマークに追加

コメント

まあApp Storeの360版と言った方が近いですね

今のインディーズの状態に一番近いのが、あのiPhone/iPod Touch向けアプリを一手に扱うApp Storeでしょうね。
あちらのゲームソフトの品揃えも、まさにこちら同様ピンからキリまで並列に並んでいるようなものですし。(多数のゴミの中に一握りの宝があるのも一緒)

App Storeについては伝聞でしか情報を知らんのですけど、いろいろとXBIGは不利ですよねえ。しかも向こうは持ち運べる分、使える幅が広いでしょうし。
じゃあこっちはしっかりとしたゲームで勝負する場になるのか、というわけにもなってないところが面白くて。うまくXbox360ならではの利点を生かした作品が出ればもうちょっと盛り上がると思うのですが、どうなることやら。

市販のゲームやライブアーケードだってゴミや凡作は多いんだから同じだ
あと、ここではゴミ扱いでも他では評価の高いものも多い

僕の目が曇っているというのは間違いようのない事実で、これはもうひとえに日頃の不勉強さが出ている思わされます。いやはや、なんとも情けない。
もしよろしければ、また僕が変なことを書いていた時に突っ込んでいただければ幸いです。

だいたい千本プレイお疲れ様です。
ゲーマーっぷりホントすごいっすわ

ありがとうございますー。
1000本といってもまァやっただけですので、まだまだ精進が足りないように思います。時間とお金が許せばもっとガッツリと深くやりたいんですが……。
非公開コメント