屍病汚染 DEAD RISING 4~5話

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4~5話のあらすじ

 一週間ほど前に『屍病汚染 DEAD RISING』1~3話の配信が開始された。そして今度は4~5話も追加配信されたわけである。早速、見ていこう。前回については「屍病汚染 DEAD RISING 1~3話」を参照されたし。

 まずはあらすじを記そう。今回もネタバレを含んでいるので、まだ見ていない方は注意されたし。

 三話までは、兄を殺され作業服のチンピラにボコられていたかわいそうな主人公。そこになんと突然、車が突っ込んできた。今までついていなかった分、どうやらここで運が向いてきた様子。作業服の男は一人死亡し、残りの二人もゾンビに絡まれていてこちらなど気にかけている余裕もなし。おまけに車から降りてきたのは、看護師風の女性(右画像)。敵が死んだ上に女が仲間になるとは、まさに至れり尽くせり。しかし、この車から降りてきた真理という女性、後でわかるがとんでもないキチガイなのである。

 衝撃に驚いていた主人公に真理は話しかけて、その場から一緒に逃げようとする。……のはいいのだが、彼女、外から入ってきたゾンビと戦っている作業服の男達を見て、「ダメだわ、逃げましょう」とあっさり見捨てるのだから笑える。それでも医療従事者か。そして、作業服の連中もしつこく追ってくるのだからバカバカしい。

 この真理という名の看護師、なぜここへ突っ込んできたかというと「ゾンブレックス」なる薬を探しに来たのだとか。実は彼女、病院で既にゾンビに噛まれていたのであった。

 病院では不安で薬を奪ってしまった患者が出てきたり、それらのいざこざで医師も噛まれて感染したり、無茶苦茶なことになっていた様子。結局、薬を取るために車で港へ向かわねばならなくなり、その途中、当然のように感染した医者がゾンビ化して真理へ襲い掛かり、事故ってしまったというわけである。

 そんなわけで真理はこの倉庫で薬を探さねばならないのだが、車椅子に乗っている主人公が一緒にいるのはどうも都合が悪い。どうするのかと思いきや、「あたしはゾンブレックスを探すから待ってて」と置いていった。当然、見捨てられた主人公は「見捨てないでよ」と頼むものの、「あなたがいたら探せないし」と一蹴される。そこで絶望し、「俺なんて足手まといなんだ」とぼやく主人公。まったくもってその通り。

 更に、探しにいく真理に対し主人公は「確実にあるかわからないのに探すなんて無謀だ、チンピラもいるし危ないよ」と割と真っ当なことを言う。これに彼女は逆切れ。「人に助けてもらってばっかのお前はダメ人間だ!」といきなり説教をおっぱじめるのだから、もう笑うしかない。確かにうだうだ言っているだけの主人公もどうしようもないわけだし、どのみち薬を探さなければ真理は死ぬ。けれども、なんでそこで怒るのか。

 一度怒り始めた彼女はもう手がつけられず、お前は今まで助けられてばっかりだとか、同じように足が不自由な人を何人も見てきたが性根がここまで捻じ曲がってるのはお前だけだとか、今のあんたは逃げてばっかりだと罵倒を連発。最後に、「逃げてばっかじゃない! わからない? わからない?」と、意味不明な罵りをして、薬を探しに行った。僕はこの映画の存在意義がわからないよ、真理さん。

 そしてこの無茶苦茶な展開に、なぜか主人公が心を打たれた様子。これまたグダグダと述懐し始め、真理さんの強さを見て自分も勇気を出し、なかなか帰ってこない彼女を探しにいくことにした。まったくもって意味がわからない。普通だったらどう考えても足手まといになるのだが、まァ主人公補正で役に立つのだろうといったところで次回へ続く。

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ゾンビはけっこう出てきたがヒロインがイカれていた

 まさにご都合主義満載である。ヒロインの登場も、主人公が勇気を出す理由も、強引にお約束設定を使った上に違和感を無くそうとすらしておらず、脚本の程度が知れる。ちゃんとD級映画(デッドライジング映画)らしさが出ているだろう。

 そして、その変な脚本のせいで真理が頭のおかしい人物になっているところがまた最高だ。彼女、どう見ても噛まれたのがバレバレなのにそれをなぜか主人公に隠そうとする。そしてすぐにバレる。当然ゾンビになるのか? と聞かれるのだが、「絶対にゾンビにならないからッ!」と自信満々で答えてしまうのだから、既に頭の中はゾンビ化していると言ったほうがいいだろう。

 その上、前述のように、まだ悪い人間だとわかっていない作業着の男達をあっさり見捨てるし、主人公を足手まといだと言い切りこのダメ人間めと説教する。こんなヒロインがかわいいわけがないだろう。強引な話作りのせいで、こんなネジのはずれた存在となってしまったわけだ。

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ようやく出てきたゲーム本編とのリンク……なのに

 これだけだとクソ映画としか言いようがないのだが、一応『デッドライジング2』に関連した話が登場するのが見所なのだろう。

 屍病に有効な「ゾンブレックス」という薬は本編にも出てきて、しかもメインストーリーに大きくかかわるのだとか。そして、アメリカではゾンビを使った「テラーイズリアリティ」というテレビ番組が放映しているとのこと。これはミニゲームに関連する話だろう。

 ただ、これらの設定、特に「ゾンレックス」。映画としてはあまりに非現実的で突飛なので苦笑しかでない。

 ゾンブレックスという薬の効果は24時間で、しかも発病を遅らせるだけ。つまり、毎日打たなければいけないとのこと。こんな大変な治療法しかない病気が蔓延しているとなると、世界は絶望的としか言いようのない状態なわけだが、日本ではちょっと前に騒動になっただけで今は一切沈静化しているとのこと。これは日本の危機感のなさを揶揄しているつもりなのだろうが、普通だったら沈静化しないだろう。あまりに無茶な設定なので揶揄には見れず、単に技量のない人が破綻した話を書いているとしか思えない。

 またそれだけでなく、映画の設定でもミスを犯している。そのせいで、主人公は実質的に主役の立場を追われている。真理が登場してからというものの、あんた誰? ゾンビに噛まれたの? 薬って何? なんで危険を冒して探しにいくの? と質問ばかりする語り部の扱いになっている。もはや、メインは脳みそが腐ってる彼女のほうに推移しているわけだ。いや、そもそも1~3話も実際は兄ばかりが戦っていたわけだし、主人公が主役だった瞬間など今まで一切ないのだろう。これは主人公の足が不自由であるという設定が、明らかに余計だったことを示している。「普段は歩けるがチンピラに足を怪我させられた」という設定でも、難なく話は進行したろうに。

 医者がゾンビの脈を確認して「死んでる……」と言う間抜けすぎるシーンや、そもそも病院が感染者を隔離できていないなどの点は、B級・C級だからという言い訳が効いてむしろ笑えるが、設定の明らかなミスはそうもいかないだろう。大体、狙ってそういうダサさを演出しているつもりならば、そういった部分はちゃんと練ってからあえてミスをしているように見せかけ、したたかに笑いを取らねばならないだろう。それなのに本気で失敗しているというのは、ああもう本当にダメだというしかない。B級映画を作ろうとしたのではなく、D級映画しか作れないのだ。

 そんなわけで、今回はゾンビがそこそこ出てきてゾンビ映画らしくなってはいるものの、逆にそのせいで話の矛盾ばかりが目につき、なかなか訳のわからない感じになってきている。これだったら1~3話のリンチ映画のほうがまだマシだった。

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もうやめてよ監督のメッセージ

 あと、当然のように映像の最初と最後に挟まれる稲船監督のメッセージ、マジで勘弁してください。特に今回は映画の内容説明ばかりし続けるので、本当に閉口するしかない。

 映画に限らないが、込められた意図というのは作品で語るからこそ感動が深まるのである。メッセージを口で語るのであれば、もはや本編はいらないわけで。この点に関しては素人にすら負けているといえよう。これだけはホントやめてください。
 お願いします。
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