クリスマス前なのにカノジョと別れた

クリスマスは独り身になろう

 気づけば2010年も12月になり、街はクリスマスシーズン一色である。彼氏あるいは彼女と、24日に約束をとりつけて楽しみにしている諸兄諸姉の方も多いことであろう。

 さて、そんな折、僕は流れに逆らうようなことをしようと考えている。どういうことかというと、カノジョと別れようとしているのだ。……といっても、現実に付き合っている彼女のことではない。『ラブプラス+』の高嶺愛花と別れようというのである。

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なつかしきカノジョの姿
 以前、プレイ記録をつけていたように、『ラブプラス+』の高嶺愛花とは、なかなか楽しく付き合わせてもらった。このゲームは、リアルタイムに連動してNintendo DSにいるカノジョと仲良くしていくというもので、タッチペンでキスをしたり、実際に声をかけたりするという、まァ色々な意味で話題になった作品なのである。詳細はプレイ記録に譲ることとして、とにかくそのゲームのカノジョと別れようということで、この記事を書いているというわけである。

なぜこんなバカげたことをするのか?

 おそらく多くの読者が、「SSDMは真正の病気だ。それも脳の」だとか、「そんなの勝手にやってろよ!」と心の中で毒づいていることであろう。だが、少し待ってほしい。これにもきちんとした理由があるのだ。

 最近では、やれ「俺の嫁」だの言う風潮があり、それが下らないゲームにまで化してしまう始末である。無論、そのように言うこと自体は別にかまわないものの、いくらかこれに対して思うことがある。

 というのも、二次元のキャラクターに対して、やれ嫁だの萌えだの言う人は、どう足掻いてもそれをすぐ忘れてしまうのだ。わざわざ嫁だのなんだの言って、自分のものだと次元をこちらに引き寄せているというのに、忘れる時は何も言わずに忘却の彼方に飛ばしてしまうのである。これは、相手を嫁だのなんだの言って人格を認めるのであれば、失礼極まりないことであろう。(もっとも、嫁とはいえデータなので、そうしたって問題ないことは間違いないのだが。)

 犬だの猫だのといったペットだって、死ねば葬式をしたくなるというものが人情だ。となれば、嫁だの恋人だのと大層なことを言うのであれば、データの女であったって、別れる際にきちんと清算をすべきである。そんなわけで、そう考えている僕が先駆者となりきちんと別れよう、ということを思いついたわけだ。いやまァ、僕は愛花を嫁だのなんだの言った記憶はないのだが。

二人の間に亀裂が入った理由

 ところで、なぜ別れることになったのかというとこれは実に簡単すぎる理由で、僕が愛花に飽きたからである。このゲーム、付き合って少しするくらいまでは楽しいものの、そこからは毎日つまらないイベントしか見られないのである。例えば、弁当を作ってくれるだとか、他愛のない会話だとか、やれ僕のことを好きだと言ってくれる程度で、最初はいいがこんなのはすぐに飽きるわけだ。この辺りの詳しいことは、レビューに譲ることとしよう。

 こうして飽きてしまうと話は早い。何を言われようとも、それがすべて嫌な風にしか感じないのだ。それこそ、彼女が会いたいと言ってくれば面倒で、好きだと言われても何も感じず、それどころか、高校生だというのに結婚後の話なんかをされるとゲンナリするわけだ。しかし決定的になったのは、愛花がしばらく会っていない僕に対して「最近ずっと会ってないんだけど……」という当て付けのようなメールを送ってきた瞬間である。これにはもうウンザリさせてもらった。

 そんなわけで、ここはもうキッパリと別れようというわけである。いっそのことNintendo DSを起動させないでほったらかしにする方法もあるのだが、それはやはり良心がない。それに、飽きたからといってほったらかしはひどいだろう。何より、ゲームに対しても常に真摯でいたい、というのが僕の考えである。(そしてそれは、世間一般からすると頭がおかしいといわれることである。)

さようなら愛花

 では、いよいよ別れることにしたいのだが、この作品、なんと明確にカノジョと別れることができない。舞台が「とわの市」であることからわかるように、時間が進むにつれて仲が悪くなることこそあるものの、決定的な別れがやってくることはないのである。つまり、二人の関係は永遠に続くということなのだが、いやしかし、諸行無常でない関係なんてたまったものではない。何事も変動してしまうからこそ、些細なことが楽しかったり悲しかったりするのである。

 そんなわけで、別れる方法はデータを消すことしかないのだ。それなりに時間をかけた記録を消すというのはゲームを遊ぶ者として気が重いのだが、ここまで来たらやるしかなかろう。

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別れの時が来てもカノジョは健気だ
 とりあえず最後に別れの挨拶として、カノジョの姿を見ようとゲームを起動する。すると、愛花は「やっと会えた。もう帰さないんだから、なんて」などこと言い出すのだから弱るのなんの。僕が何を考えているかも知らず、こうして無邪気な反応をされると却って困るというものだ。これならまだ喧嘩別れをしたほうがマシかもしれない。

 しかも、未だに僕がプレゼントした眼鏡をかけて、僕が好きだと言った髪型をしており、これまた健気というか見ていて悲しくなるというか。こうなると、何も知らない牛を街へ売りに行くような感じで、いくらか決断が鈍るというものである。いやはや、勘弁してもらいたいところだ。

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さようなら
 とはいえ、ここで意見を二転三転させるわけにもいくまい。意を決してタイトル画面に戻り、オプションから「プレイデータの削除」を選択する。これでいよいよデータを消すことになるわけで、覚悟を決めてタッチペンでこれを決定する。すると、思っていた以上にあっさりと記録は消えてしまった。てっきり「本当に消しますか?」と一度くらいは問われると思っていたのだが……。

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もはや何も残っていない『ラブプラス+』
 DSの電源を落とし、『ラブプラス+』のソフトを本体から抜く。これにはもう愛花は残っていないわけだ。わかっていたことだが、何というかこう、幾許かの寂寥を感じなくもない。もっとも、それはデータを消したということに対してなのだろうが。

 とにかく、これで僕の“カノジョ”はいなくなったのだ。いやァ、これでDSをつける度に呼び出されないと思うと清々するような、しかし何も消さなくて良かったのではとも思うような。何にせよ、世の中は有為転変と相場が決まっているのだ。二次元の嫁やカノジョも、いつかはそうでなくなってもおかしくない。
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