ああ、クレイジーだったタクシー

crazytaxi_01.jpg

『クレイジータクシー』がXbox Live Arcadeにやってきた

 2010年11月24日に、Xbox Live Arcadeで『クレイジータクシー』が配信された。お試し版を遊んでいたところ、色々と思うところがあったので記しておこう。

 この作品は、「セガ・ドリームキャスト復刻プロジェクト」として配信されたものである。過去に雄々しく散っていったドリームキャストというハードに登場した名作を、現行機で復刻させよう! という考えの下作られたそうだ。

○ セガ・ドリームキャスト復刻プロジェクト|クレイジータクシー
http://dc.sega.jp/game_taxi.html

 この『クレイジータクシー』という作品は、元々はアーケードゲームであった。黄色いスリムなアップライト筐体が非常に目立つ上に、立ったまま車を運転するという面白い仕様になっており、なかなか人々の目を引いたものである。とはいえ、今回配信されたのはあくまでドリームキャスト版の移植だ。そして、個人的に思い入れが深いのもそのドリキャス版である。

 ゲーム内容を簡潔に表現すると、街中をタクシーで大爆走するというものである。逆走しようが歩道を走ろうが、大ジャンプしようがおかまいなし。とにかく客を一秒でも早く目的地に連れて行って、残り時間とスコアを稼ぐのを目的とするのだ。

 開放感のある街はなかなか広く、その世界をアクセル全開で走れるのが非常に楽しかった。当然、街中には人がいるので轢きかけるし(ただし、みんな横っ飛びで華麗に避けてくれる)、車がぶっ壊れそうなくらいに跳ねたり飛ぶのは(壊れはしないが)クレイジーで、かつてない爽快感を覚えたものだ。

crazytaxi_02.jpgcrazytaxi_04.jpg
交通ルールなど知ったものか! という具合
 そしてアーケードゲームらしく、クレイジーダッシュだとかクレイジードリフトといった難しい技ができなければならないのも特徴か。これができないとゲームはすぐに終わってしまうのだが、上達していく過程は厳しくもやり応えのある道のりであった。また、家庭用版には「Crazy Box」なる技術を鍛えるミニゲームも存在しており、それもよくやったものである。

もはや『ノスタルジア タクシー』

 とはいえ、それらもすべて過去のこと。この作品はシリーズ展開もしたようで、当時は人気があったことは間違いないのだが、今遊ぶといかんせん古臭さが鼻につく。

 確かに広い街中を走り回れることには違いないのだが、今となっては手狭でチャチな印象が拭えない。ドライビングゲームとして考えれば、もっと広くてグラフィックが優秀な作品が次々と登場したからだ。そして、人を轢きそうになったり車が壊れそうなことにはなる点も、今や実際に人を轢けたり車が壊れるゲームなんてのがあるわけである。となれば、轢きそうになることや車が壊れそうになることに刺激を感じたり、あるいはそれをクレイジーだと思うことは不可能。当たり前のことだが、やはり過去のゲームなのだ。

 そして、懐かしい思い出ばかりがじわじわと噴き出してくる。クレイジードリフトをすれば、それを練習しまくりようやく習得できた日のことを思い出し、メニュー画面を見れば、友達とCrazy Boxを攻略しようと寝落ちするまで遊んだあの日を思い出し……。ドリームキャストのコントローラーを握っていた自分が、ゲームプレイによって鮮明に脳へ映るのである。

 更に、このXBLA版には変更点がある。このゲームのBGMとしても有名であった、オフスプリングの『All I Want』(Youtube)が差し替えられていたり、契約の問題かゲーム中に登場した実在企業が差し替えられているのである。どれも移植するにあたって致し方なく変更したのであろうが、しかしこれを見ると、ますます時代が変わってしまったことばかりが強く感じられる。もはや、あの『クレイジータクシー』を遊んでいた自分は、昔のことなのだ。

crazytaxi_03.jpg
こんな風に見えてくる(この画像は加工したものである)
 こうなると、頭の中は思い入ればかりで、ゲームプレイをまともに受け取ることなど不可能だろう。黄色いタクシーがものすごい勢いで走っていることに違いはないのだが、僕にはセピアになってコマ落ちしながら映っているように見えたのだ。となれば、どこがクレイジーだという話であり、もはや、『Nostalgia Taxi』と言ったほうが正確であろう。

 既に『クレイジータクシー』はクレイジーさなど持ち合わせておらず、すっかりと牙を抜かれたようになってしまった。無論、ゲームプレイそのものがつまらないというわけではない。ただ、少なくとも僕にとって、この作品はまだ過去にいるのだ。噛み締めても、出てくるのはひたすらに懐かしさのみであった。


box_crazytaxi.jpg

クレイジータクシー 800ゲイツ Xbox.com詳細ページ
開発元: SEGA ジャンル: アクション & アドベンチャー 2010/11/24

 セガ・ドリームキャスト復刻プロジェクトのひとつとして配信されたソフト。
 開放感のある街中を黄色いタクシーで爆走し、とにかく客を一秒でも早く目的地へ連れて行く。
 ああ懐かしき、ノスタルジアタクシー。
このエントリーをはてなブックマークに追加

コメント

こんにちわ。

これ、私も大好きなゲームだったんで、
どうしようかなあと思ってたけど、
(暴走すると、盛り上がるばあちゃんの客とか)
ALL I WANTなしじゃイヤだから、
安心して止めちゃおうっと。
って、別にハードの方で流せばいいのですが、
そこまでしてやるもんか? という(笑)。

どっちにせよ、
FoNVは一旦終わったものの、すぐにDLC出るし、
何よりアサシン・グリードだし、
ヴァンキッシュもまだ手をつけてないし、
やってないゲームはたまる一方です。


やるべき作品は多数リリースされますからねえ。時代遅れの作品に足を止められている時間はないのかもしれません。
しかし『All I Want』についてはいろいろな箇所で言われますね。やはりあの曲がクレイジーさに拍車をかけていたのかもしれません。
非公開コメント