かつての絵本は16年経った今でも色あせない『マリオストーリー』

当時遊びそこねたゲームを16年越しに遊ぶ

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『マリオストーリー』タイトル画面

 Wii Uのバーチャルコンソールで『マリオストーリー』を遊んだ。本作は2000年にニンテンドウ64で発売されたRPGで、マリオが星の精やピーチ姫を助けるためクッパと戦いを繰り広げるといった作品である。

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クッパがキノコ城に襲撃を仕掛けたシーン

 スーパーファミコンの『スーパーマリオRPG』は遊んだことがあったのだが、その続編的な立ち位置にいる本作はプレイしたことがなかった。そんなわけで、ふと思い立ち買ってみたわけである。

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クリオと一緒に星のふる丘を冒険

 このゲームはRPG初心者も遊べるように作られているようで、バトルで登場する数値の肥大化もなければ(最初は1ダメージの駆け引きからはじまる)、ストーリーも簡潔でわかりやすく、じっくりと遊べば多くの人がクリアへとたどり着けることであろう。

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テレサのお屋敷でレトロなマリオになって謎解き

 しかし、16年前のゲームでも出来はかなりのものだ。ベタとも言える物語だがきちんと納得できる作りになっているし、雑魚との戦いを避けるような動きをすれば難易度もヌルすぎることはない。マリオの世界観も活かされており、街の人々や敵キャラクターもユニークだ。

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ハゲタカの「ゲーハー」との中ボス戦

 バトル中の特定タイミングにボタンを押すことで有利になる「アクションコマンド」はやはり雑魚戦を退屈にさせないし、さらにはさまざまな仲間の特殊能力で道を切り開くシステムなど、新たな挑戦も行っている。また「星のかけら」というアイテムの収集要素などもあり、やりこもうとするプレイヤーに対しても抜かりのない完成度であろう。

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マリオに殺されると勘違いしたペンギン野郎

 2016年の最新ゲームと比べれば見劣ってしまうだろうが、現在では“手頃な価格で販売されているダウンロード・タイトル”と捉えられるのでなかなかのものだ。『マリオストーリー』に込められたこだわりは多少変質していても、十分に伝わるのである。かつて自分が楽しんだ絵本を子供に読ませるような、そんな錯覚を感じた。
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死者の魂をデータとして保存できる世界は死ぬほど地味 『Master Reboot(マスターリブート)』

日本語化されたインディーSF・ADVを遊ぶ

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「ソウルクラウド」の世界でとある少女に襲われるシーン

 2015年12月16日にWii Uで配信された『Master Reboot(マスターリブート)』を遊んだ。

 本作はインディーデベロッパ「Wales Interactive」が開発したSFアドベンチャー・ホラー・ゲームで、PCでは2013年10月ごろに登場していた作品である。本作は、人間の記憶・個性をデータとして記録する「ソウルクラウド」が舞台となっており、主人公はその世界の中でとある記憶を追体験していくというわけだ。

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死者と出会えるソウルクラウドのイメージ

 ホラーとしてはビックリ系とでも言うべき内容で、急に大きな音が鳴ったり敵が出てきたりという感じである。また、物語が面倒臭い形になっており、単純なのに理解しづらくなっている。……もう率直に書いてしまうが、面白くなかった。

おおまかなゲームシステム

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“最初のおもいで”では子供の部屋を探索する

 さて、本作は一人称視点で進行するアドベンチャーである。ソウルクラウドの世界の中には「ソウルビレッジ」と呼ばれる街があり、そこから各地にあるそれぞれの“おもいで”へ向かっていく。

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かつての誰かが持っていた学生時代の記憶

 思い出の中ではアクションや謎解き(パズル)が用意されており、それをこなすことで先へ進むことができる。謎を解くなどして条件を満たせば道が開き白いキューブ(純粋な記憶の入ったコンテナ)に触れることができ、関連した記憶がアニメという形で見られるのだ。

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ただ面倒臭いだけのパズル(一例)

 ところで本作において文句を言う場合、この“面倒なだけで楽しくないアクション”と“存在する意味がわからないパズル”が挙げられると思われる。太陽系の惑星配列パズルや暗号解読などは関連性が不明すぎるし、アクションも無駄にシビアなだけだ。

 しかし、そこは正直なところどうでもいい。このゲームの魅力は珍しい舞台設定なわけで、つまり探索やパズルといったゲームシステム的な部分が凡庸でも、ソウルクラウドという独特の世界観に引き込めればいいのだ。

「ソウルクラウド」というデータ上の世界

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廃墟のようになってしまった思い出の遊園地

 では、死者たちのデータと遭うことができる「ソウルクラウド」の世界の表現はどうか? となるのだが、これがまた微妙と言いたくなるのだから困ったものだ。

 前述のように本作は、人の記憶の中を探索することになる。つまりデータ上の世界でありながら現実世界に沿っており、いかにもデータ上を探索しているという独特な感覚はごく一部にしかない。あるいはデータ化されているからこそできる表現があってもいいはずなのだが、それも見つけることができなかった。

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物語に大きく関わってくる思い出の写真

 そして、物語の根幹も結局のところ人間関係である。道中に落ちている青い「アヒル」を見つけていくと物語が詳しくわかるようになるのだが、むしろわからないほうがホラーとしてはいいかもしれない。更に、話は単純なのに語り口が複雑なのでわかりにくくなっている点も評価しづらすぎる(意図した演出だとしてもだ)。

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最初の思い出をクリアすると追いかけてくるクマちゃん

 なお、ホラーとしても肩透かしを食らってしまった。前述のように本作はビックリ系なのではじめは誰でも驚くだろうが、そのくらいである。ほかの演出は大したものはないどころか笑えるものもある始末で、巨大なテディベアが襲ってくるのは完全にほのぼのシーンだ。

 また、墓地で襲ってくる敵(下記の動画)に関してはただのギャグでしかない。これが近くに数体もいるのだから恐怖も台無しである。



まとめ

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恐怖の対象としても力不足な気がする少女

 よって『マスターリブート』は面白くはなかったわけだが、かといってクソというほどではない。しょうもないアクションやパズルに軽くイラつくが、体裁は整っているし幸いなことに3~4時間で終わる。日本語ローカライズも十分な具合だろう。

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意味深でありながら意味を感じられる気がしない電脳世界

 何より大きな問題なのは、物珍しいはずの設定をゲームとしても世界観としても活かしきれていないということ。仮に技術が進歩して“魂”と言われるようなものがデータ化できる世界ができたとしても、そこは想像より地味な場所なのかもしれない……、とすら思わされる出来であった。
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ゲームもamiiboも“もふもふ感”が活かされている 『ヨッシー ウールワールド』購入

ヨッシーの新作に手を出す

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 2015年7月16日に発売されたWii U用ソフト『ヨッシー ウールワールド』を購入した。無論、関連amiiboも抑えてある。

 本作は、毛糸の「ヨッシー」がさらわれた仲間たちを救出するため、さまざまなステージに挑戦するアクション・ゲームである。開発はWiiの『毛糸のカービィ』を手がけたグッド・フィールが担当しており、今度はヨッシーたちの世界が毛糸になっているというわけだ。

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『ヨッシー ウールワールド』起動画面

 あみぐるみとして登場しているamiiboもそうだが、やはりこの“手芸のような印象”というか“もふもふ感”というか、そういうものが本作において大事である。ねんど風のグラフィックが特徴の『タッチ!カービィ スーパーレインボー』もそうだったが、任天堂の2Dアクションは見た目の進歩を目指しているのかもしれない。

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キャラクターはすべて毛糸で、ほかの要素も手芸関連になっている

 基本的には『ヨッシーアイランド』シリーズに準じた内容になっており、アクション・ゲームとしては劇的な変化を感じることはないか。敵を飲み込んで毛糸にしたり、その毛糸を投げて敵を倒すという基本システムは相変わらずだ。毛糸ならではのギミックも用意されているだろうが、まだ序盤しか触っていないのでなんとも。

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毛糸のあみぐるみなので、変形も違和感なくこなす

 そういえば、本作はふたり同時プレイに対応しているほか、ヨッシー関連のamiiboを読み込ませることにより、ひとりで2匹のヨッシーを操作できるようになる。

 それ以外のamiiboでは、キャラクターを模した色のヨッシーを呼び出すことができる。『スプラトゥーン』の「ガール」ではあの“いかTシャツ”風のデザインになるのでなかなか笑えてよい。

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これまでのシリーズで見たことのあるような敵・場所も違った雰囲気になる

 僕はこれまでの『ヨッシーアイランド』シリーズに、2Dアクションとしての劇的な変化を求め続けて失望をしていることが多い。今回もその点に関しては期待できそうにないが、やはりこのあみぐるみな世界はいいものだ。効果音なんかもほんわかしており、意外と新鮮に感じるのである。

 とはいえ、甥たちが遊びたいと言っていたから買ったというのが正直なところ。僕もそこそこ楽しめればいいのだが。

○ 『ヨッシー ウールワールド』レビュー 『アイランド』の血を受け継ぐ新鮮な毛糸の世界
http://hakotossdm.blog42.fc2.com/blog-entry-1955.html
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岩田聡氏が関わったゲームを「バーチャルコンソール」で遊ぶ

突然の訃報

 2015年7月11日、任天堂の代表取締役社長である岩田聡氏が亡くなった。既にニュースになっているし、ゲーム開発者や関係者の方々が大騒ぎしているのはご存知であろう。


 任天堂の新プラットフォーム「NX」が発表されたばかりであり、ただのゲームユーザーからしてもその衝撃は大きいと思われる。僕もあまりの出来事に驚いたのだから、世の中はどれほど震えたのだろうか。

 ともあれ、僕のような人間にできることは、ゲームを遊ぶくらいのものである。せっかくWii Uやニンテンドー3DSがあり、過去のゲームをダウンロードで買える「バーチャルコンソール」(以下、VC)というシステムも存在するのだ。遊びつつ思い出を語ろうではないか。
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「任天堂ゲームセミナー2014」の4作品を遊んでみた ── 『ジカンサタンサ』だけは見逃すな!

今年もゲームセミナー作品の配信時期がやってきた

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「任天堂ゲームセミナー2014」公式サイトより

 任天堂が学生向けに行った「任天堂ゲームセミナー2014」で制作された作品が、Wii Uで無料配信されている。2013年度のタイトルに続き、今回もなかなか見所がある作品が揃っているので紹介しよう。

 ちなみにこのセミナーは東京と大阪の二箇所で行われており、それぞれで2チーム(つまり合計4チーム)の作品が仕上げられ、配信されているというわけだ。なお、開発には「Unity for Wii U」が使われており、どれも2Dグラフィックのゲームタイトルとなっている。

かなり面白かった『ジカンサタンサ』

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『ジカンサタンサ』タイトル画面

 さて、4作品はどれも見所のあるゲームだと思うが、僕の一押しはチームXが制作した“時間差アクション”の『ジカンサタンサ』である。今回の中では最も面白くかつ可能性を感じた作品であり、更に磨き上げられた製品として遊びたいと思えたものだ。


 このゲームは、ロボットの「ペンタ」を操作して周囲を探索しつつゴールを目指すという内容である。だが、“時間差アクション”というジャンル名のように、操作とペンタが動くまでに時間差があるのが特徴だ。

 まず、プレイヤーはAボタンを押しつつWii U GamePadを傾けて、ペンタの移動ルートを教えてあげるわけである。すると、その後にペンタが指示通りの動きを行うので、あらかじめうまく動きを予想してあげる必要があるわけだ。

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「ペンタ」は教えられたルートをその通りに歩いていく

 この動きを予想するシステムも楽しいわけだが、さておき本作は手触りが良いのだ。ディレクターの高砂ゆい氏と浦井智崇氏も言っているとおり、本作は画面・ゲーム展開・音・振動のすべてがシンクロするように調整されている。

 たとえば、ペンタの歩調やサンゴや貝の動きは必ずBGMに合っているし、それに合わせてWii U GamePadは震えるのだ。また、ペンタの歩調は曲のリズムに合っているわけで、つまりリズムをカウントすればどれだけ歩いたかもわかるのである。

 とにかくもう、この手触りの良さが抜群に素晴らしい。これは実際に遊ばねばわからないだろう。

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喜ぶ仕草などがいちいちかわいいペンタ

 そして、Wii U GamePadのジャイロ操作も上手く活かせている。確かにジャイロ操作は細かい点まで動かせるわけだが、ボタン入力に比べると自分がどんな入力をしているのか手触りでわかりづらい。それを前述のようにリズムのヒントなどで考えつつ、試行錯誤するという味わいがあるのだ。

 更に、ペンタの愛らしさの表現も立派である。指示が終わったら出発する前にこちらへ手を振ってくれるし、水から出た時に体を振るだとか、宝を見つければこちらを見て喜んでくれるだとか、なんとあざといことか!

 リトライが欲しいなど気になる点も存在するが、そのあたりは次の機会に修正してくれればいい。そう、また遊びたいと思えるほどに面白かったのだ。
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